講演後の懇親会『アイーダ』公演で来日している演出家、ペーター・コンヴィチュニー氏が、
ドイツ文化会館ホールでプレ・トークを行いました。
エキセントリックな人かと想像していましたが、ユーモアを交えた穏やかで飾らない語り口。
過激な舞台の印象が強い氏の演出ですが、劇場の社会性や、過去の作品に命を吹き込む信念を語るとき、むしろ誠実にドイツ演劇のオーセンティックな流れを汲む芸術家だという印象を受けました。
(講演メモ)
・ オペラや演劇に現代性を持たせること。作品の持つメッセージの重要性。音(音楽)は作品の本質を伝えるべきで、演出家は、音楽が作品に対して、なにを表現して、どんな意味を持っているのかを考え、伝えるべきだ。
・ 「啓蒙」としてのオペラや演劇、芸術の役割。レッシング、ワーグナーが主張した、社会をよりよくするための芸術。
・ 舞台に上がって重要な事を言わないのは犯罪である。重要な事を言わないのであれば、舞台にのってはいけない。ただ音を発するだけではいけない。作品が持つメッセージを伝えなければ。
・ 劇場をとりまく状況は厳しい。社会の演劇、劇場に対する関心が薄くなってきた。近年、演出は娯楽産業と化してしまった。演出ではない、単なるイベントという仕事。表面的なもので深みがない。
・ 作品を被害者の視点で書く(ヴァルター・ベニヤミン)。弁証法の必要性。我々は被害者の側に立たなければならない。Mozart, Beethoven, Wagner, Verdiなど今まで手がけてきたオペラすべて被害者の視点に立っている。
- 2008/04/11(金) 23:37:22|
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