講演後の懇親会『アイーダ』公演で来日している演出家、ペーター・コンヴィチュニー氏が、
ドイツ文化会館ホールでプレ・トークを行いました。
エキセントリックな人かと想像していましたが、ユーモアを交えた穏やかで飾らない語り口。
過激な舞台の印象が強い氏の演出ですが、劇場の社会性や、過去の作品に命を吹き込む信念を語るとき、むしろ誠実にドイツ演劇のオーセンティックな流れを汲む芸術家だという印象を受けました。
(講演メモ)
・ オペラや演劇に現代性を持たせること。作品の持つメッセージの重要性。音(音楽)は作品の本質を伝えるべきで、演出家は、音楽が作品に対して、なにを表現して、どんな意味を持っているのかを考え、伝えるべきだ。
・ 「啓蒙」としてのオペラや演劇、芸術の役割。レッシング、ワーグナーが主張した、社会をよりよくするための芸術。
・ 舞台に上がって重要な事を言わないのは犯罪である。重要な事を言わないのであれば、舞台にのってはいけない。ただ音を発するだけではいけない。作品が持つメッセージを伝えなければ。
・ 劇場をとりまく状況は厳しい。社会の演劇、劇場に対する関心が薄くなってきた。近年、演出は娯楽産業と化してしまった。演出ではない、単なるイベントという仕事。表面的なもので深みがない。
・ 作品を被害者の視点で書く(ヴァルター・ベニヤミン)。弁証法の必要性。我々は被害者の側に立たなければならない。Mozart, Beethoven, Wagner, Verdiなど今まで手がけてきたオペラすべて被害者の視点に立っている。
- 2008/04/11(金) 23:37:22|
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少し前になりますが、新しく調布市仙川に開館した「
せんがわ劇場」
オープニングイベント『
モバイル』を見てきました。
調布市 せんがわ
劇場アンサンブル 『
モバイル』
作=セルジ・ベルベル
演出=ペーター・ゲスナー
出演=岡まゆみ、後藤みなみ ほか
離婚し,ひとり旅に出ようとする55歳の主婦と,商談のため海外に出立する
49歳のやり手女実業家。まったく違う人生を歩んできた2人は,偶然居合わせた
空港で,爆弾テロに巻き込まれる。
2人は最も身近な人間に携帯で連絡をとりあう。それぞれの人生が複雑に絡み
合い,物語は意外な展開へ…!
非常におもしろかったです。
人間関係の断絶、携帯に象徴される「言葉」、テロ。普段生きていく中で、
社会の習慣や価値観に縛られて自分の深い感情を出すことはない。
しかし、この心の底に沈んでいる本当の情念をえぐり出して、目の前に見せて
くれる面白さ。
抽象的な舞台に、役者さんたちの熱演に感動を覚えました。
小
劇場ならではの、演奏者と観客の距離の近さ。
オペラやオーケストラの公演ではありえない近さ。観客も劇の一部になって
いくような感覚が新鮮でした。
ペーター・ゲスナーさんとせんがわ
劇場、これからの活動が楽しみな
劇場です。
追記: ウリルケさん、ご紹介くださってありがとうございました。
- 2008/03/11(火) 23:01:10|
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